ヒルドイドとジェネリック(後発品)の関係がわかりにくい、という質問をいただくことがよくあります。
ヒルドイドの一般名は「ヘパリン類似物質」です。ジェネリックの商品には、ビーソフテンや、「ヘパリン類似物質・・・+「メーカー名」」という名称のものがあります。
ジェネリックはいくつかのメーカーが出しており、メーカーごとに使用感が違うという方もいらっしゃいますが、特に着目していただきたいのは油分の含有量です。
ヒルドイドには、クリーム、ソフト軟膏、ローション、ゲルという製剤がありますが、このうちいわゆる保湿目的に相当する「皮脂欠乏症」に使えるのは、クリーム、ソフト軟膏、ローションです。この3つには油分が含まれています。
もともとヒルドイドの主成分であるヘパリン類似物質はムコ多糖の1種です。ムコ多糖は水溶性なので、油分とはそのままではなじみません。そこで、ヒルドイドのクリーム、ソフト軟膏、ローションは、ムコ多糖であるヘパリン類似物質の水溶液と油分とを乳化剤(界面活性剤)を入れることでなじませています。
ジェネリックの商品にも、ヒルドイド同様に油分を含むものもあるのですが、ジェネリックの大きな特徴の一つが、油分を含まないもので、かつ皮脂欠乏症に使えるものがあることです。例えば、ビーソフテンローションや、ヘパリン類似物質ローション「ニプロ」を当薬局では常時在庫していますが、これらは油分を含みません。使用感もヒルドイドローションに比べてさらっとしています。また油分を含まないことから乳化剤を含んでいません。(ヒルドイドのクリーム、ソフト軟膏、ローションが乳化剤を含むからと言って、それが有害なものであるということではありません。)
処方せんに「ヘパリン類似物質ローション」と書いてあり、処方医がブランドを指定していなければ、例えば当薬局であれば、ヒルドイドローション、ヘパリン類似物質ローション「ニプロ」、ビーソフテンローション、から選択し、すぐにお渡しすることができます。もちろん他のメーカーのものをご指定いただくことも可能です。
ご不明な点があればなんなりとお問い合わせください。
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